国産キャットフードの品質とは?

スーパーの食品売り場では、「国産」という文字が目立ちます。国産であるかどうかは、多くの人の安心の基準になっています。とはいえ、国産だから必ずしも安心、とは言い切れません。キャットフードの場合も同じです。現在、日本で販売されているキャットフードの中に、国産をうたっているものは少なくありません。品質や安全性はどうなのか、見ていきましょう。

国産なのに、安い!安全性に疑問

海外製品のオーガニック・キャットフードなど、安全性に定評のあるブランドの製品は、比較的コストが高めですね。それは、高品質なキャットフード生産にコストがかかっているためです。それに比べて国内に出回っているキャットフードは、リーズナブルなものが多い気がします。その中には国産をアピールしているものもあります。例えば缶詰タイプでは、1缶あたり100円以下で購入できるものもあります。国産のキャットフードブランドの製品が、実際にどんな品質なのか手に取って調べてみました。

某キャットフードの原材料・成分表一覧

ドライタイプで、猫下部尿路の健康維持や肥満が気になる猫用、など様々な健康管理に役立つキャットフードが用意されていました。パッケージには国産という文字が輝いています。実際の原材料はこのようになっていました。

原材料

とうもろこし、チキンミール、コーングルテンミール、小魚、小麦粉、脱脂大豆、動物性油脂、植物性油脂、カニカマ、マグロエキス、ホワイトフィッシュミール、乾燥野菜、ハーブ粉末、小魚粉末、オリゴ糖、γ-リノレン酸、クランベリーパウダー、シラスエキス、pH調整剤、酵母細胞壁、アミノ酸類(メチオニン、タウリン、トリプトファン)、ミネラル類(K、Zn、Cu、Ca、I)、ビタミン類(A、E、K、B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、コリン)、着色料(食用赤色102号、106号、食用黄色4号、5号、食用青色1号、二酸化チタン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)、グルコサミン、コンドロイチン

成分

たんぱく質27.0%以上、脂質9.0%以上、粗繊維3.0%以下、灰分9.0%以下、水分10.0%以下、カルシウム0.9%以上、リン0.8%以上

原材料のトップを飾っているのは、「とうもろこし」です。穀物類の中でもとうもろこしや小麦粉は、猫にとって消化しにくいでんぷん質を多く含んでいます。とうもろこしが一番多く含まれている、ということは…残念ながら下痢を起こしやすいキャットフードと言えますね。肉食動物の猫は、雑食と言われる人間や犬と違って、炭水化物をそれほど必要としません。むしろ、良質なたんぱく質を多く摂取する必要があります。その点で、とうもろこしの次に挙げられている「チキンミール」がチキンそのものではないのが残念です。これは、家禽を粉状、あるいはペースト状にした「加工品」の状態で出回っている物なので、栄養価が心配な素材です。

加えて、原材料の最後の方に目立つ「添加物」も気になりますね。猫にとって異物でしかない、合成着色料が何種類も使用されています。合成着色料は人間の食品にも使用が制限され、発がん性物質とも呼ばれています。猫にとってアレルギー源となることもあるため、注意が必要です。

国産だから安全、は違う!チェックが不可欠

国産で、なおかつ安価…という商品は、どれも同じような原材料のものがほとんどでした。チェックしたいポイントは以下の通りです。

  • 原材料の最初の方が穀物類(とうもろこし、小麦粉など)でないか
  • チキンミールのような加工物ではなく、鶏肉、魚など素材そのものを使用しているか
  • 赤色102号などの合成着色料を使用していないか

その他、危険な添加物の中には「発色剤」や、「天然由来ではない保存料」も含まれます。たとえ国産であっても、キャットフードの中にこうした危険が隠れている場合があります。表示をよくチェックしてから購入したいですね。

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