糖尿病の猫のためのキャットフード

1.猫の糖尿病について

細胞が必要とするエネルギー源に、ブドウ糖(グルコース)があります。
食事から摂取したブドウ糖は腸で吸収され、血液を通して全身の細胞に運ばれます。
膵臓で分泌されるインスリンというホルモンにより、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が一定の値を保つようにコントロールされています。

1-1.糖尿病の原因とは?

インスリンの分泌量の低下や、肥満などによりインスリンの働きが阻害されると、糖分が細胞に正常に取り込まれなくなり、血糖値が上昇します。
代謝で利用されなかった糖が体内に蓄積し、最終的に尿に含まれ排泄される病状を、糖尿病とよびます。
猫の糖尿病は、症状や原因によって、2つのタイプに分かれています。

1-2.インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病・IDDM)

インスリン依存性糖尿病とは、膵臓にあるβ細胞という機能が破壊され、インスリンが全く分泌されなくなることによって起こります。
遺伝や、慢性膵炎が原因となることが多いようです。
I型糖尿病と診断された場合は、インスリンを注射によって毎日投与し続ける必要があります。

1-3.インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病・NIDDM)

猫だけではなく人間にも多く見られる糖尿病の、インスリン非依存性糖尿病です。
インスリンが分泌されていないわけではありませんが、うまく機能しなかったり、適切に分泌されなかったりする状態が、II型と呼ばれます。
原因の多くは、肥満やストレス、運動不足によりインスリンの効果が妨げられることによって発症します。

2.糖尿病でみられる症状とは?

膵炎に由来する糖尿病の場合は、食欲不振や嘔吐といった膵臓病と同様の症状が見られ、他にも足元のふらつきや、多飲多尿、食欲旺盛にもかかわらず体重が減少するなどの症状が特徴的です。
糖尿病の症状が進行すると、心臓病や感染症、ケトアシドーシスという病気を発症することがあります。
ケトアシドーシスとは、高血糖の状態が続くことで代謝が正常にできなくなり、エネルギーを脂肪から生み出そうと分解することにより生み出される「ケトン体」が血液中に急増し、血液が酸性に傾くことで体に様々な異常が現れることです。
発症すると、下痢や嘔吐、脱水症状がみられ、短期間で昏睡状態などの重篤な症状を引き起こすため、糖尿病にかかってしまった場合は、初期の段階で早急に治療を開始することが大切です。

3.糖尿病の治療

糖尿病の診断は、専門医でも困難とされています。
ストレスに弱い猫は、その場の検査のストレスで血糖値が高くなることがあります。
このため、数日間かけての血糖値の検査や、尿に含まれる糖の濃度や視認できる症状などから総合的に診断します。
糖尿病の治療のためには、インスリンのコントロールが必要です。
インスリン依存性糖尿病の場合は毎日インスリンを投与し、食事療法と並行して治療を進めます。
非インスリン依存性糖尿病の場合、インスリンの投与が不要なことが多く、食事療法や肥満を解消することで、糖の吸収を助ける治療を行います。
または経口血糖下降薬といった飲み薬で、血糖値をコントロールする方法もあります。

4.糖尿病の猫にはどんなキャットフードがよい?

糖尿病にかかってしまった場合のキャットフードの選び方として、炭水化物の摂取を抑えることが必要です。
炭水化物は、体内で分解されてブドウ糖になるため血糖値が上昇し、糖尿病の悪化につながります。
安価なキャットフードには、トウモロコシや小麦の配合比率が高い商品も多いので、パッケージの成分表を確認し、選ぶようにしましょう。
市販の療養食には、糖コントロールされたキャットフードがあり、血糖値の上昇を緩やかになるよう調整したフードや、肥満解消のために低カロリーのフードも販売されています。
また、与え方にも工夫が必要で、一度に大量に与えるのではなく、複数回に分けることで、食べ過ぎや血糖値の急上昇を予防することが有効です。
糖尿病の場合、猫の状態や病気の進行状態によって食事療法の進め方が異なるため、必ず獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。

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